Quadratic Voting
投票に際して複数票を投じることを可能にする投票制度nishio.icon 2倍強い意思表示に2の二乗の4票が必要になる
ボイスクレジットが「票」に相当するnishio.icon
このシステムでは、投票者はそれぞれ一定量の投票クレジットを与えられ、それをさまざまな選択肢に自由に分散投票することができます。 ただし、同一選択肢への投票には二次関数的にコストが増加するしくみになっています。 これにより、投票者は真に重要だと思う事項に対してのみ多くの信用を投じることを奨励されます。
一人一票の投票制度の場合、票が集中するのは、多くの人にとって優先度が高いイシューに強い候補者です。 しかし複数の選択肢に強弱をつけて投票することにより、より多様な候補が選ばれることが期待されます。
具体的な例を見てみましょう。
たとえば、有権者に対してそれぞれ100ポイントを付与します。
有権者はそのポイントを使って各候補者に投票をすることができますが、票数の平方倍のポイント数を消費する必要があります。
この場合、票数に応じて消費するポイントは表 1のようになります。
table:表1 クアドラティックボーティングの投票例
票数 消費ポイント(pt)
1票 1×1=1
2票 2×2=4
3票 3×3=9
4票 4×4=16
... ...
9票 9×9=81
この場合、自分が最も推薦したい候補者が一人いて、その人に最大ポイントを割り振ったとしても、100-(9×9)=19ポイントが余ってしまいます。
自分の持つポイントを使い切ろうとした場合、ほかの候補者にも投票をする必要が出てくるということです。
クアドラティックボーティングのおもな利点は、各個人の真の優先順位をより正確に反映し、少数派の意見を尊重することができることです。
とくに、強力な候補者の影響力を抑制し、より民主的な結果を生み出す可能性があります。
タン氏が中心となって推進されている台湾の官民連携ハッカソン、「総統杯」では、優秀プロジェクトの一般投票にクアドラティックボーティングが採用されています。